訪問看護スタッフの役割と心のケア~退院後の不安~
看護の王国 訪問看護ステーションの平田です。
今回は多くの利用者さんが乗り越えてきた「退院後の不安」について考えてみたいと思います。
病気やケガで入院生活を送った後、いよいよ自宅に戻る日。
退院は喜ばしい出来事ですが、同時に大きな不安を伴う瞬間でもあります。
病院では24時間体制で医療スタッフが常駐し、必要な時にすぐ対応してくれる安心感があります。
しかし、自宅に戻ると状況は一変。
「急に具合が悪くなったらどうしよう」
「薬の管理は大丈夫だろうか」
「日常生活の中でできることとできないことの線引きは?」
など、様々な不安が押し寄せてきます。
確かに、退院前に病院で十分な説明や指導を受けたとしても、実際に自宅で生活を始めてみると、想定外の問題に直面することも少なくありません。
病院と自宅では環境が大きく異なり、それに伴って新たな課題が生じるのは自然なことなのです。
そんな場面に関わるのが、私たち訪問看護スタッフ。
医療の専門知識を持ちながら利用者さんの自宅に伺い、その方の生活環境に合わせたケアを提供します。
私たちの役割は、単に医療的なケアを行うだけではありません。
利用者さんとご家族の不安に寄り添い、一つひとつ丁寧に解消していくことで、安心して自宅での生活を送れるよう支援することも大切な仕事なのです。
例えば…
・医療的ケア:傷の手当て、薬の管理、体調チェックなど
・日常生活の指導:食事、入浴、運動など、日常生活のポイントなど
・精神的サポート:不安や悩みに耳を傾け、心のケアを行う
・社会資源の紹介:必要に応じて、利用可能なサービスを紹介
私たち訪問看護スタッフは、利用者さんの自宅という親しみのある環境で、ゆっくりとコミュニケーションを取りながらケアを行います。
病院では聞きづらかった些細な疑問や不安も、自宅では気軽に相談していただけるのが強みです。
また、定期的に訪問することで状態の変化にいち早く気づき、適切な対応を取ることができます。
これは、重症化の予防や早期治療にもつながる重要なポイントです。
退院後の不安や戸惑いは誰にでもあるものです。
でも、一つひとつの不安を解消し小さな成功体験を積み重ねていくことで、徐々に自信を取り戻すことができます。
私たちは、医療的なケアはもちろん、心のケアも含めた総合的なサポートを通じて、患者さんとご家族の笑顔を守り、より良い在宅生活の実現を目指しています。
気になることがあればお気軽にご連絡ください。